ドラクエ1・2・3の時系列は「3→1→2」
「ドラゴンクエスト」シリーズの中でも、その原点として今なお絶大な人気を誇る初期三部作、『ドラゴンクエストI』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』そして『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。
これらの物語は独立しているように見えて、実は深いつながりを持っています。
結論から言うと、物語の時系列は「3→1→2」の順番で構成されています。
この事実は公式にも発表されており、三作品は伝説の勇者の血筋をめぐる「ロト三部作」と呼ばれ、世代を超えて語り継がれる壮大な一つの物語を形成しているのです。
物語の繋がりは?「ロト三部作」と呼ばれる理由を解説
ロト三部作とは、伝説の勇者「ロト」の称号と、その血を引く者たちの運命を描いた三つの作品を指す通称です。
物語の核心には常に「ロト」というキーワードが存在し、その称号と伝説の装備(剣、鎧、盾、兜)が時代を超えて受け継がれていきます。
「ロト」とは特定の個人名ではなく、世界を救った真の勇者に与えられる最高の栄誉ある称号です。
すべての始まりは『3』の主人公の冒険にあり、彼が成し遂げた偉業こそが、後の世に語り継がれる「勇者ロトの伝説」そのものなのです。
この伝説がどのようにして生まれ、子孫たちへと繋がっていくのか。その壮大な歴史の全貌を知ることが、ロト三部作を最大限に楽しむための鍵となります。
なぜ「3→1→2」なのか?伝説の勇者ロトの物語を年表で確認
物語の時系列が「3→1→2」という壮大な叙事詩になる理由は、主人公たちの血の繋がりにあります。
まず、『3』の主人公は、魔王バラモスを討伐した後、真の黒幕である大魔王ゾーマの存在を知ります。
ゾーマを倒すために足を踏み入れた地下世界「アレフガルド」は、後の『1』『2』の物語の主要な舞台となる場所です。
激闘の末にゾーマを打ち破り、世界に平和を取り戻した主人公は、その功績をラダトームの王に称えられ、初めて「ロト」の称号を授かります。
これが、すべての伝説の始まり、「勇者ロト」が誕生した瞬間です。
それから数百年後の世界が、『1』の舞台であるアレフガルドです。『1』の主人公は、まさにその「ロトの子孫」であり、平和になったはずのアレフガルドを再び闇に閉ざした竜王を倒すために立ち上がります。
そして竜王討伐後、彼はラダトームのローラ姫と結ばれ、新天地を求めてアレフガルド大陸の外へと旅立ち、「ローレシア」という国を建国します。
さらに100年の時が流れた世界を描いたのが『2』です。『1』の主人公とローラ姫が築いた国は三つに分かれ、それぞれの子孫たちが治めていました。
しかし、邪教を崇める大神官ハーゴンによってその平和は無残にも破られます。
『2』の主人公であるローレシアの王子は、同じくロトの血を引くサマルトリアの王子、そしてムーンブルクの王女と共に、世界の未来を賭けてハーゴンに立ち向かうことになります。
このように、一人の英雄の血脈が「3」から「1」、そして「2」へと、世代を超えて確かに受け継がれていくため、この壮大な時系列となるのです。
一目でわかる!ドラクエ1・2・3のキャラクター相関図
ロト三部作の登場人物たちの関係性を整理すると、物語の壮大な繋がりがより明確に理解できます。
まず、物語の原点である『3』の勇者オルテガの息子(主人公)が、大魔王を倒した功績により、歴史上最初の「勇者ロト」となります。
そして数百年後、そのロトの血を引く者として『1』の主人公がアレフガルドに現れます。
彼はラダトーム王国のローラ姫を救い出し、結ばれた後に、三人の子供をもうけます。
その子供たちがそれぞれ「ローレシア」「サマルトリア」「ムーンブルク」の王族の祖となり、その100年後に彼らの子孫である『2』の三人の主人公たちが運命的な出会いを果たし、力を合わせて冒険を繰り広げるのです。
壮大な歴史は、すべて一人の勇者が始めた、たった一つの伝説から繋がっているのです。
【プレイ順】ドラクエ1・2・3はどの順番で遊ぶのがおすすめ?
物語の時系列が「3→1→2」であると知ると、「どの順番でプレイするのが一番良いのだろう?」という、嬉しい悩みが生じるかもしれません。
これには主に二つの考え方があり、どちらのプレイスタイルにも抗いがたい魅力があります。
あなたがゲームに何を求めるかによって、最適な「伝説への入り口」は異なります。
初めてなら発売日順「1→2→3」がおすすめな理由
もしあなたがドラゴンクエストシリーズに初めて触れるのであれば、ゲームが実際に発売された順番である「1→2→3」でプレイすることを強くおすすめします。
この順番でプレイする最大のメリットは、作り手が意図した「驚き」と「感動」を、当時のプレイヤーと全く同じように体験できることです。
初代『1』のシンプルなシステムから、『2』で仲間と共に戦うパーティー制が導入され、そして『3』で自由度の高いキャラクターメイキングや転職システムが加わるという、RPGの金字塔が進化していく歴史そのものを肌で感じることができます。
何より、物語の仕掛けとして、『1』と『2』で繰り返し語られる「伝説の勇者ロト」とは一体何者なのか?という大きな謎が、『3』の感動的なエンディングですべて明かされるという、シリーズ最大級のカタルシスが待っています。
この衝撃的な体験こそが、発売日順プレイの醍醐味と言えるでしょう。
物語の深みを味わうなら時系列順「3→1→2」がおすすめな理由
一方で、物語の繋がりや歴史の重みを深く理解しながら進めたい方には、物語の時系列に沿った「3→1→2」の順番がおすすめです。
すべての始まりである『3』を最初にプレイすることで、「ロトの伝説」が生まれるまさにその瞬間を、あなた自身が体験することになります。
その上で『1』や『2』をプレイすると、物語の随所に散りばめられた伏線や、何気ない街の人の会話の裏にある歴史的な意味合いに気づくことができ、まるで壮大な歴史書を読み解くように、より一層物語に没入できるはずです。
特に、2024年11月に発売されるHD-2Dリメイク版は、『3』が先行して発売され、翌2025年に『1&2』が続く形式です。
制作者である堀井雄二氏も、この時系列順でのプレイで新たな発見があると示唆しており、リメイク版を最大限に楽しむのであれば「3→1→2」の順番が最適と言えるでしょう。
あなたのタイプ別におすすめのプレイ順を紹介
最終的にどちらの順番でプレイすべきか、あなたのタイプに合わせて結論をまとめます。
ゲームそのものの進化の歴史や、制作者が用意したサプライズを純粋に楽しみたい「体験重視派」のあなたは、発売日順の「1→2→3」がおすすめです。
一方で、物語の奥深さやキャラクターたちの関係性をじっくりと味わい、壮大な叙事詩の目撃者となりたい「ストーリー重視派」のあなたは、時系列順の「3→1→2」を選ぶと良いでしょう。
どちらの順番にもそれぞれの良さがありますので、ご自身の好みに合わせて、伝説への旅を始めてみてください。
【ストーリー解説】ドラクエ1・2・3のあらすじ(※ネタバレなし)
ここからは、ロト三部作それぞれの物語のあらすじを、ネタバレを含まない範囲でご紹介します。
これから冒険に出る方も、かつての旅路を懐かしむ方も、それぞれの世界の魅力、そして冒険の始まりの空気感を再確認してみてください。
すべての始まりの物語『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
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小国アリアハンの勇敢な戦士オルテガの子である主人公は、16歳の誕生日、アリアハン王から直々に重大な使命を告げられます。
それは、世界を恐怖に陥れ、数多の国々を滅ぼそうとしている魔王バラモスを討伐すること。
かつて同じ使命を背負い、旅の途中で命を落としたとされる父の遺志を継ぎ、仲間たちと共に広大な世界へと旅立った主人公は、数々の試練や出会いを乗り越え、やがて世界を揺るがす衝撃の真実と、自らに課せられた宿命に対峙することになります。
すべての伝説は、この一人の若者の冒険から始まりました。
勇者ロトの伝説を継ぐ物語『ドラゴンクエスト』
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かつて伝説の勇者ロトによって大魔王が倒され、平和がもたらされたアレフガルドの地。
しかし、その平和は悪の化身「竜王」の出現によって破られます。
世界は再び闇に包まれ、竜王はラダトーム城から世界の光を保つ「光の玉」を奪い、麗しきローラ姫をも連れ去ってしまいました。
人々が絶望に打ちひしがれる中、ある預言者が「やがてロトの血を引く者が現れ、竜王を滅ぼすであろう」と告げます。
その予言に導かれるように一人の若者が現れます。彼こそが、伝説の勇者ロトの血を引く者。世界に光を取り戻すため、たった一人で強大な悪に立ち向かう、孤独ながらも壮絶な冒険が今、幕を開けます。
ロトの子孫たちが集う物語『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』
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竜王が倒されてから100年の月日が流れました。『I』の勇者とローラ姫が築いたローレシアの国とその同盟国は、長く平和な時代を謳歌していました。
しかし、邪悪な大神官ハーゴンが率いる謎の軍勢が突如ムーンブルク王国を襲撃し、城は一夜にして陥落。平和は無残にも打ち砕かれます。
ローレシアの若き王子は、ハーゴンの邪悪な野望を阻止するため、祖先の血に導かれるように旅立ちます。
道中、同じくロトの血を引くサマルトリアの王子、そして呪いから解放されたムーンブルクの王女と運命的な出会いを果たし、三人の勇者の子孫たちが力を合わせ、世界の未来をかけた過酷な戦いに挑みます。
【リメイク情報】今からドラクエ1・2・3を遊ぶ方法
ロト三部作の壮大な物語に興味を持った方のために、現在これらの不朽の名作をどのようにプレイできるかをご紹介します。
幸いなことに、ファミコン時代に生まれたこれらのゲームは、現代の様々なゲーム機で手軽に遊ぶことが可能です。
今すぐ遊べる機種は?【Switch/PS4/スマホ】
現在、『ドラゴンクエストI』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の三作品は、Nintendo Switch、PlayStation 4、そしてスマートフォン(iOS/Android)向けにダウンロード版が配信されています。
いずれもオンラインストアから購入すれば、すぐにプレイを開始できるため、最も手軽な方法と言えるでしょう。
グラフィックや操作性は現代の基準に合わせて最適化されており、オリジナル版の雰囲気はそのままに、より快適な冒険を楽しめます。
携帯モードでどこでも遊べるSwitchやスマホ、大画面でじっくり楽しむPS4など、自分のプレイスタイルに合わせて選べるのも魅力です。
【最新情報】HD-2D版リメイク『ドラクエ』の発売日はいつ?
そして、ファン待望の完全リメイク作として、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が2024年11月14日に発売されています。対応機種はNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam/Windows)と非常に幅広く、最新の環境でプレイ可能です。
このリメイクの最大の特徴は「HD-2D」というグラフィック表現。
『オクトパストラベラー』などで高い評価を得たこの技術は、ドット絵の持つ懐かしく温かみのある雰囲気と、3DCGによる立体的な背景や美しいエフェクトを融合させたもの。
まさに、伝説の冒険を現代に蘇らせるのに最もふさわしい表現方法と言えるでしょう。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』ファイナルトレーラー
▼ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 公式サイト
https://www.dragonquest.jp/roto-trilo...
HD-2D版『ドラクエ1&2』も発売決定!オリジナル版との違いは?
さらに、HD-2D版『ドラゴンクエストI & II』も2025年10月末に発売が予定されています。
これにより、ロト三部作すべてが統一された美しいHD-2Dグラフィックで楽しめることになります。
制作者の堀井雄二氏は、このリメイク版には単なるグラフィックの刷新に留まらない、新たな追加要素があると語っています。
特に「3→1→2」の時系列順でプレイすると『2』のエンディングで驚きの発見があると示唆しており、物語の核心に触れるような新しい仕掛けが用意されていることが期待されます。
オリジナル版の物語を最大限に尊重しつつも、長年のファンをも唸らせるような、新たな体験が加わっている可能性が高いです。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』発売日告知トレーラー
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』公式サイト https://www.dragonquest.jp/roto-trilogy/dq1and2/
過去のリメイク(SFC版・GBC版)と現行版の追加要素・違いを比較
ロト三部作は過去にもスーパーファミコン(SFC)やゲームボーイカラー(GBC)でリメイクされてきました。
これらのリメイク版では、グラフィックやサウンドの向上はもちろんのこと、『3』では「盗賊」の職業追加や「性格」システム、やりこみ要素の「すごろく場」が導入されるなど、ゲーム内容が大幅に拡張されました。
現在配信されているSwitch版やスマホ版は、主にこれらのリメイク版をベースにしているため、ファミコンのオリジナル版よりも格段に遊びやすく、奥深い内容になっています。
そして来るHD-2D版では、これらの優れた追加要素を引き継ぎつつ、グラフィックの革新とさらなる物語の深掘りがなされる可能性があり、まさにロト三部作の「決定版」と言える内容になるでしょう。
ドラクエ1・2・3の時系列に関するFAQ
最後に、ドラクエ1・2・3の時系列に関して、多くの人が抱くであろう疑問とその答えを、より詳しくまとめます。
HD-2D版は3からやらないとダメ?
必ずしも「ダメ」という強制ではありません。
しかし、HD-2Dリメイク版という作品を最大限に楽しむためには、『3』からプレイすることが強く推奨されます。
制作者の堀井雄二氏が「3→1→2の順番でプレイしてもらうと、あっ!と驚く展開が待っています」と発言しているのは、非常に重要なヒントです。
これは、リメイク版がこの時系列順にプレイされることを前提として、制作者が意図した新しい感動や発見を体験できるように、物語や演出に何らかの仕掛けを施していることを意味しています。
既存のファンも、初めてプレイする人も、この制作者からのメッセージを信じて『3』から冒険を始めるのが賢明と言えるでしょう。
ロトシリーズと天空シリーズの繋がりはある?
公式設定としては、「ロトシリーズ(1,2,3)」と「天空シリーズ(4,5,6)」は、それぞれが独立した物語であり、直接的な繋がりはないとされています。
しかし、2017年に発売された『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』が、その関係性に一石を投じました。
『XI』はロトシリーズの起源を描く物語であると同時に、作中のある選択によって分岐したもう一つの世界が、天空シリーズの始まりに繋がるのではないか、という可能性が強く示唆されています。
これはあくまでファンの間での考察が中心ですが、非常に説得力のある説として語られています。
ただし、公式に断言されているわけではないため、壮大な「if」の物語として楽しむのが良いでしょう。
各作品の攻略にかかるプレイ時間の目安は?
各作品のクリアにかかる時間は、プレイヤーの進め方によって大きく変わりますが、一般的な目安として、初代『ドラゴンクエストI』は、寄り道をあまりしなければ約8時間から10時間ほどでクリア可能です。
仲間が増え、世界が広がる『II』と、転職システムなどやりこみ要素も豊富な『III』は、それぞれ20時間から30時間程度がクリアまでの目安となるでしょう。
もちろん、これは最低限のプレイ時間です。
レベル上げに夢中になったり、小さなメダルをすべて集めたり、カジノで遊んだりすれば、プレイ時間はさらに何倍にも膨れ上がります。
攻略情報を見ながら効率的に進めれば、これらの時間よりも短縮することも可能ですが、ぜひ自分のペースでじっくりと冒険の世界を堪能してみてください。