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クリーニングのボタン付け料金はいくら?取れた・割れた時の対処法まで完全ガイド

お気に入りのワイシャツやスーツ、大切な日に着ようと思ったらボタンが取れかけていたり、いつの間にか無くなっていたりして、がっかりした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

自分で付けるのは裁縫が苦手で自信がないし、そもそも時間もない。

そんな時、多くの方が「近所のクリーニング店で、ついでにボタン付けも頼めるのだろうか?」という切実な疑問を抱きます。

この記事では、そんなあなたのあらゆる疑問や不安を解消するため、クリーニングのプロフェッショナルとしての知識を総動員して、徹底的に解説します。

クリーニング店のボタン付けサービスの料金相場や日数といった基本的な情報はもちろん、なぜクリーニングでボタンが破損するのかという原因の深掘り、さらにはプロに任せるべきケースの見極め方まで、あなたが本当に知りたかった情報をすべて網羅しました。

この記事を最後まで読めば、もうクリーニングにおけるボタンのトラブルで悩むことはなくなるでしょう。

 

目次

クリーニング店のボタン付けサービス料金は?取れたボタンもOK?

【結論】クリーニング店でボタン付けは頼める!料金相場とサービス内容

結論から言うと、はい、多くのクリーニング店でボタン付けを依頼することは可能です。

これは、今にも取れそうなボタンの補強・付け直しから、完全に取れて紛失してしまったボタンの新規取り付けまで、幅広い状況に対応してくれる非常に便利なサービスです。

料金体系は、店舗の方針やボタンの状態によって大きく二つに分かれます。まず、クリーニングの洗浄工程で取れてしまうのを防ぐ目的で、緩んでいるボタンを付け直す場合や、万が一クリーニング中に取れてしまったボタンを再度取り付ける場合は、顧客サービスの一環として無料で行ってくれる店舗が数多く存在します。

一方で、クリーニングに出す前から完全に取れていたボタンを取り付ける作業は、「修理」という扱いになり、有料となるのが一般的です。

有料の場合の料金相場は、比較的作業が簡単なワイシャツのボタンであれば1個100円から300円程度です。

これがジャケットやコートの厚手の生地になると、しっかり取り付けるための手間がかかるため、1個300円から1000円程度が目安となります。

最近増えている宅配クリーニングサービスでは、元々「ボタンゆるみ直し」が無料の標準サービスとしてパッケージに含まれていることも多く、利用者にとって大きなメリットとなっています。

 

持ち込みボタンや、紛失した場合の新しいボタンにも対応可能?

はい、取れてしまったボタンを自分で持ち込んで付けてもらうことは、もちろん可能です。

スーツやシャツを購入した際に、内側のタグに小さな袋で予備のボタンが付属していることがあります。

これこそが、万が一の際に最も役立つアイテムです。

この純正の予備ボタンがあれば、デザインや色合いが変わる心配なく、元通りに修復できるため、大切に保管しておき、依頼時に持参するのが最も確実で賢い方法と言えるでしょう。

もしボタンそのものを紛失してしまった場合でも、諦める必要はありません。

多くのクリーニング店では、お店がストックしている多種多様なボタンの中から、元々のボタンのサイズや色、雰囲気に最も近いものを選んで付けてくれます。

ただし、この場合はボタン自体の代金が、取り付け料金とは別に必要になることがほとんどです。また、あくまで「類似のボタン」での対応となるため、完全に同じデザインのものが見つかるとは限らない点には注意が必要です。

特にデザイン性の高いブランドのボタンの場合、一つだけ違うボタンが付くことで、洋服全体の統一感が損なわれ、印象が変わってしまう可能性も十分に考えられます。

依頼する際には、こうしたリスクも理解した上で、類似ボタンでの対応をお願いしましょう。

 

【大手チェーン比較】ポニークリーニング・ノムラクリーニング等の料金と特徴

ポニークリーニングやホワイト急便、白洋舎といった広く知られる大手のクリーニングチェーンでも、ボタン付けサービスは重要な顧客サービスとして広く提供されています。

例えば、ポニークリーニングやホワイト急便では、日常的に利用されるワイシャツのボタン付け替えなどを、無料または比較的安価な料金でスピーディーに対応している店舗が多く見られます。

一方、高品質な仕上げを特徴とする白洋舎では、「ローヤルクリーニング」といったハイグレードなコースを選ぶと、ボタンの緩みやほつれなどを専門のスタッフが徹底的に点検し、補修してくれるサービスが含まれていることがあります。

ただし、非常に重要な点として、これらのサービス内容や料金体系は全国の店舗で完全に統一されているわけではなく、最終的には各店舗の運営方針や現場の判断に委ねられているのが実情です。

そのため、ノムラクリーニングさんのような地域に根差したチェーン店や、昔からあるお近くの個人経営のお店に依頼する場合も含め、最も確実で安心な方法は、衣類を持ち込んだ際に受付で直接「このボタンは付けてもらえますか?」「料金はいくらですか?」「日数はどのくらいかかりますか?」と具体的に確認することです。これにより、後々の「思っていたのと違った」というトラブルを未然に防ぐことができます。

 

なぜ?クリーニングでボタンが割れる・取れる原因と対処法

クリーニング中にボタンが破損する3つの主な原因

「大切にしていた服をクリーニングに出したのに、ボタンが割れて戻ってきた」という悲しい経験があるかもしれません。

これには、家庭の洗濯機とは異なる、業務用のクリーニングならではの工程に主に3つの原因が潜んでいます。

一つ目は「洗浄工程」での物理的な衝撃です。

業務用の大型洗濯機は、強い洗浄力を生み出すためにステンレス製のドラムが非常に高速で回転します。

その結果、衣類には強い遠心力がかかり、ボタンがドラムの硬い内壁に繰り返し強く打ち付けられます。

この衝撃が、ボタンの割れや欠けの直接的な原因となります。

二つ目は「プレス工程」での熱と圧力です。

特にワイシャツなどを効率よく仕上げるために使われる専用のプレス機は、高温と高い圧力で一気にシワを伸ばします。

この時、プレス機の熱や圧力を和らげる緩衝材の役割を果たす「パッド」という部分が、長年の使用で消耗・硬化していると、その圧力を適切に吸収できずにボタンが耐えきれず、パリンと破損してしまうのです。

三つ目は「乾燥工程」でのダメージです。コインランドリーでもお馴染みの回転式タンブラー乾燥機では、熱風を当てながら衣類を回転させて乾燥させます。

この過程で衣類が何度も持ち上げられては落ちるという動きを繰り返すため、その衝撃でボタンが破損したり、縫い付けている糸が摩耗して切れてしまったりすることがあります。

 

ボタンが取れた・割れた場合の保証は?無償で付け直してもらえる?

もしクリーニング店の明らかな過失によってボタンが破損したり紛失したりしたと判断された場合は、原則として無料で付け直しや交換といった対応をしてもらえます。

多くの店舗では、お店がストックしている中から似たデザインのボタンを探して付けてくれるのが一般的です。

しかし、ここで注意が必要なのが、多くのクリーニング店が加盟する「クリーニング事故賠償基準」という業界の自主基準の存在です。

この基準では、ボタンやベルトのバックルといった「衣類の付属品」の紛失や破損は、原則として賠償の対象外と定められているケースが少なくありません。

そのため、元々ボタンが取れかかっていた場合や、素材の経年劣化による破損と判断された場合は、保証されない可能性が高いのです。

高価なボタンや一点もののボタンが付いた衣類を出す際は、万が一の事態も想定し、預ける際に受付で保証の範囲についてしっかりと確認しておくことが、自分を守る上で非常に重要になります。

 

破損を防ぐために家庭でできる事前対策(アルミホイル活用法など)

大切な衣類のボタンをクリーニングによる不慮の事故から守るためには、出す前の「ひと手間」が極めて重要です。

最も効果的で確実な対策は、やはり、高価なボタンや替えの効かない特殊なボタンを、あらかじめ自分で取り外してからクリーニングに出すことです。

少し面倒に感じるかもしれませんが、「転ばぬ先の杖」として、これが一番確実な方法と言えるでしょう。

また、デリケートなボタンを保護する工夫として、クリーニング店によっては、ボタンを衝撃や熱から守るためにアルミホイルで一つひとつ丁寧に包んでから洗浄してくれるところもあります。

こうしたひと手間を惜しまない、丁寧な仕事をしてくれる店舗を選ぶのも一つの良い方法です。

自分で判断がつかない場合は、受付の際に「この貝ボタンはデリケートなのですが、破損しないように特別な対応は可能ですか?」と具体的に相談してみましょう。

プロの視点から、その衣類とボタンに最適な取り扱い方法を提案してくれるはずです。

 

【種類別】スーツ・学ラン・特殊ボタンのクリーニング注意点

スーツや学ランのボタンをクリーニングに出す時のポイント

スーツや学生服(学ラン)にとって、ボタンはその服の「顔」とも言える非常に重要なパーツです。

これらの衣類をクリーニングに出す際は、まず全てのボタンがしっかりと付いているか、糸に緩みがないかを念入りに確認しましょう。

もし少しでも取れかけているボタンを見つけたら、そのまま預けるのではなく、受付でスタッフに「ここのボタンが緩んでいます」とはっきりと伝えることが大切です。

事前にその情報を共有しておくことで、クリーニング工程中の紛失リスクを大幅に減らし、適切に付け直してもらうことができます。

特に学生服の金属ボタンは、校章などが入った特殊なものであることが多く、一度なくしてしまうと一般の店では手に入れるのが非常に困難な場合があるため、より一層の注意が必要です。

 

貝ボタン・くるみボタン・革ボタンなど、デリケートな素材の扱いは?

ワイシャツやブラウスなどに使われることのある「貝ボタン」は、高瀬貝や白蝶貝といった天然の貝殻から作られており、深みのある独特の美しい光沢が魅力です。

しかし、その反面、熱には比較的強いものの、物理的な衝撃には非常に弱いというデリケートな性質を持っています。

そのため、クリーニングの洗浄工程で他の衣類と絡まったり、ドラムに当たったりすることで割れてしまうリスクが比較的高い素材です。

同様に、布でボタンの芯を包んだ「くるみボタン」や、水やドライクリーニングの溶剤に弱い「革ボタン」といった素材も、特別な配慮が求められます。

くるみボタンは生地部分が縮んだり色落ちしたりする可能性があり、革ボタンは油分が抜けて硬化・ひび割れを起こす恐れがあります。

これらの特殊なボタンが付いた衣類は、破損のリスクを避けるため、先述の通り、可能であれば取り外してからクリーニングに出すのが最も安全な選択と言えます。

 

オプション料金(追加料金)がかかるボタンの種類一覧

クリーニング店のボタン付けは、緩んだ糸の補強など、簡単なものであれば無料サービスとして対応されることが多いですが、特定のケースでは明確に追加のオプション料金が発生します。

代表的なのは、紛失してしまったボタンの代わりに、お店側で新しいボタンを用意して取り付ける場合です。

この場合、そのボタン自体の代金と、それを取り付けるための技術料(手間賃)が必要になることがほとんどです。

特に、海外のブランド品に使われているような特殊なデザインのボタンをメーカーから取り寄せる必要がある場合は、ボタン代と取り寄せ費用で料金も高くなる傾向があります。また、ボタンの種類だけでなく、分厚いウールのコートの生地への取り付けなど、作業に専門的な技術や手間がかかる場合も追加料金の対象となることがあります。

料金体系は店舗によって様々ですので、特殊な対応を希望する場合は、衣類を預ける前に必ず「この場合、追加料金はいくらになりますか?」と見積もりを確認することが大切です。

 

自分で付ける?プロに頼む?クリーニング店のボタン付けと比較

【比較表】自分で付ける場合 vs クリーニング店に頼む場合のメリット・デメリット

ボタンが取れてしまった時、自分で付けるか、それともプロであるクリーニング店に任せるか。それぞれの利点と欠点を正しく理解し、状況に応じて最適な選択をすることが大切です。

自分で付けることの最大のメリットは、何と言っても費用がかからず、思い立った時にすぐに直せるその手軽さです。

しかし、裁縫に不慣れな場合、縫い目が不格好になったり、強度不足ですぐにまた取れてしまったりする可能性があります。

最悪の場合、針で生地を傷つけてしまうことも考えられます。

一方、プロに頼むことの最大のメリットは、その仕上がりの美しさと圧倒的な丈夫さです。

プロは「糸足(いとあし)」と呼ばれる、ボタンと生地の間にあえて隙間を作り、そこに糸を巻きつけて補強する専門的な技術を用います。

これにより、ボタンが留めやすくなるだけでなく、非常に取れにくい、しっかりとした仕上がりになります。

ただし、当然ながら料金が発生し、お店に預けてから受け取るまでの時間も必要になります。

この二つの方法のどちらを選ぶかは、その衣類の種類や価値、そしてご自身の裁縫スキルや時間的な余裕を総合的に考慮して判断するのが良いでしょう。

 

プロに任せた方が良いケースとは?(高級品・特殊ボタンなど)

もちろん、すべてのボタン付けをプロに頼む必要はありません。

しかし、これだけは専門家に任せた方が良い、という明確なケースが存在します。

それは、カシミヤのセーターやシルクのブラウスといったデリケートな素材の衣類、高級なブランドのスーツやコート、そしてデザイン性の高い特殊なボタンが付いている場合です。

これらの価値ある衣類に、もし不慣れな手つきでボタンを付けてしまうと、生地に修復不可能な穴を開けてしまったり、服全体の価値を大きく損ねてしまったりする恐れがあります。また、自分では針を通すのも難しいような厚手の生地のコートなども、無理せずプロに依頼するのが賢明です。

大切な一着を、これからも長く美しく愛用するためにも、専門家の技術を頼るべき場面を的確に見極めましょう。

 

【応急処置】自分でできる!基本的なボタンの付け方

mim********さんという方もコメントしていましたが、ボタン付けは一度覚えてしまえば一生使える、非常に便利な生活スキルです。まず、針と、生地やボタンの色に合った糸(ポリエステル製のものが丈夫でおすすめです)、そしてハサミを用意します。針に糸を通したら、端を数回結んで「玉結び」という抜け止めの結び目を作ります。

次に、ボタンが付いていた元の場所を確認し、生地の裏側から針を刺し、ボタンの穴に表側から通します。

これを数回繰り返し、ボタンを生地にしっかりと固定させます。この時、ボタンと生地の間に爪楊枝を一本挟んで縫うと、適度な「糸足」の隙間を作ることができます。

最後に、再び生地の裏側に針を出し、根本の糸に数回絡ませてから、もう一度玉結びを作る「玉留め」をすれば完成です。

初めは難しく感じるかもしれませんが、何度か練習すればすぐに手際よくできるようになるはずです。

今ではインターネットで検索すれば、動画で一つ一つの手順を分かりやすく解説しているサイトも簡単に見つかりますので、ぜひ挑戦してみてください。

 

クリーニングのボタン付けに関するよくある質問(Q&A)

ボタン付け「だけ」を依頼することはできますか?

「クリーニングは今回は不要で、この取れたボタン付けだけをお願いしたい」という場合、クリーニング店の対応は正直なところ、お店によって分かれる可能性があります。

多くのクリーニング店では、ボタン付けをあくまでクリーニング利用客への付随サービス、あるいはアフターサービスとして位置づけているため、利益の少ない修理単体での受付は行っていないことがあります。

しかし、お店によってはもちろん対応してくれる場合もありますし、もし断られてしまった場合は、街にある「洋服のお直し専門店」「リフォーム店」を訪ねてみましょう。これらの専門店であれば、ボタン付けだけでも快く、そして専門的に引き受けてくれます。

料金はかかりますが、仕上がりの確実性を求めるのであれば、こうした専門店の利用を検討するのも一つの非常に良い方法です。

 

ボタン付けを頼んだ場合、仕上がりまでの日数はどのくらい?

ボタン付けを追加で依頼したからといって、クリーニング全体の仕上がり日数が大幅に延びることは少ないようです。

特に、取れかかったボタンの付け直しといった簡単な作業であれば、通常のクリーニング工程と並行して行われるため、元々の仕上がり予定日と変わらずに完了するのが一般的です。

即日仕上げをうたっている店舗であれば、ボタン付けも含めて即日で対応してくれることも十分に考えられます。

ただし、お店に同じボタンの在庫がなく、メーカーから取り寄せる必要が生じたり、特殊な修理として専門の部署で対応したりする場合には、追加で数日間から一週間程度の時間が必要になることがあります。

卒業式や結婚式など、着用する日が決まっている衣類の場合は特に、預ける際に「ボタン付けもお願いすると、仕上がり予定日はいつになりますか?」と明確に確認しておくことが重要です。

 

お店が用意したボタンのデザインは選べますか?

もしボタンを完全に紛失してしまい、お店に代わりのボタンを用意してもらう場合、残念ながらそのストックの中から「このデザインが良い」と自分で選ぶことは基本的にはできません。

クリーニング店では、あくまで衣類全体の雰囲気や残っている他のボタンを参考に、「似たデザインのボタン」を探して取り付ける、という対応が一般的です。

そのため、仕上がってきた衣類を見て「思っていたイメージと違う」と感じてしまう可能性はゼロではありません。また、一度付けたボタンを「やはり気に入らないから」という理由で、再度無料で交換してもらうことは難しいでしょう。

こうしたデザインの不一致という事態を避けるためにも、やはり一番良いのは、元のボタンや衣類付属の予備のボタンを自分で用意して、それを取り付けてもらうことです。それが、あなたの満足度を最も高める方法と言えます。

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