1.はじめに
エアコンは私たちの生活に欠かせない存在ですが、適切なメンテナンスを怠ると品質が低下し、本来の機能を発揮できなくなります。
その中で、特にエアコンのファンは汚れやすい部分の一つであり、定期的なクリーニングが必要です。
しかし、その作業は専門的な技術が必要な場合があり、多くの人々はプロの業者にクリーニングを依頼します。
しかし、クリーニング依頼の際にはどのような業者を選べば良いのか、また依頼したときのメリットとデメリットは何なのか、さらには自分でエアコンファンを取り外してクリーニングする方法等について、しっかりと理解しておくことが求められます。
本記事では、エアコンクリーニング依頼前に知っておくべきポイントについて詳しく解説していきます。
2.エアコンクリーニング依頼のメリットとデメリット
(1)専門業者による徹底的な掃除
エアコンクリーニングを専門業者に依頼すれば、プロならではの徹底的な掃除が受けられます。
専門業者はエアコンの構造を熟知しており、一般的には見落としてしまうエアコンの隅々まで丁寧に掃除してくれます。
また、専門の掃除道具を使用することで、手に入らない場所や汚れが固着して取りづらい部分もしっかりとクリーニングします。
以下に専門業者によるクリーニングの一例を表形式で示します。
サービス内容 |
詳細 |
---|---|
フィルター掃除 |
目詰まりが原因で冷房・暖房能力が低下するフィルターを掃除します。 |
ファン掃除 |
ホコリが詰まりやすいファンを取り外して洗浄します。 |
内部洗浄 |
専用の洗浄剤で内部を洗浄し、カビやダニを除去します。 |
これらのサービスにより、エアコンは清潔に保たれ、効率的に動作することで電気代の節約にも繋がります。
(2)専門知識や道具が必要ない
エアコンクリーニングをプロに依頼する大きな利点の一つが、特別な知識や専用の道具を必要としないという点です。
クリーニングの際には様々な部分をきちんと掃除することが重要ですが、特にエアコンファンは難易度が高いパーツの一つです。
取り外し自体が複雑であるだけでなく、間違った方法で掃除を行うと性能低下や故障の原因となります。
しかし、プロに依頼すれば、これらの心配は不要です。業者は専用の工具と知識をもっており、エアコンファンを安全かつ効果的にクリーニングします。
また、作業後の組み立てや動作確認も彼らの仕事ですので、安心して任せられます。
以下に、自分で行う場合と業者に依頼する場合の違いを表にまとめました。
|
自分で行う |
業者に依頼 |
---|---|---|
必要な知識 |
○ |
× |
専用道具 |
○ |
× |
安全性 |
△ |
○ |
効率性 |
△ |
○ |
以上からもわかるように、エアコンクリーニングは業者に依頼することで、専門知識や道具の準備なしで安全かつ効率的に行えます。
(3)時間とコスト
エアコンクリーニングの依頼には、時間とコストの観点から見直すことが重要です。
一般的に、プロによる洗浄作業は、家庭で行う場合と比べてより効率的で時間が短縮されます。
平均的な作業時間は2~3時間とされています。しかし、それは作業内容やエアコンの汚れ具合によります。
また、コスト面では、専門業者に依頼すると高額になる傾向があります。
以下の表をご覧いただくと分かる通り、エアコンの数やタイプによっても費用は異なります。
エアコンのタイプ |
平均的なクリーニング費用 |
---|---|
壁掛けタイプ(一般のタイプ) |
10,000~15,000円 |
天井カセットタイプ |
20,000~30,000円 |
これらの点を考慮に入れ、自分で行うか専門業者に依頼するかを選ぶと良いでしょう。
エアコンの寿命を延ばし、快適な生活を送るためにも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
3.自分でできるエアコンファンの取り外し方法
(1)準備する道具
エアコンのファンを取り外すためには、以下の道具を用意する必要があります。
-
ドライバー:エアコンのカバーやファンを外す際に必要となります。プラスとマイナスの両方を用意しましょう。
-
ピンセット:細かい部分の掃除に便利です。また、ファンの取り外し時にも使用します。
-
マスクと安全メガネ:掃除中に埃やカビが飛び散るのを防ぐためです。特にアレルギー体質の方は必須です。
-
布:エアコン周辺を保護するため、大きめの布を敷いておくと良いです。
これらの道具を用意した上で、エアコンの電源を切り、作業に取り掛かりましょう。(感電防止、誤作動防止のため、コンセントを抜きましょう。)
なお、安全に作業を進めるためにも、最初から最後まで落ち着いて行いましょう。
(2)エアコンの電源を切り、本体カバーをはずす
まず始めに、エアコンの電源を切り、安全を確保します。
操作は非常に単純で、リモートコントロールで「OFF」ボタンを押すか、直接電源プラグを抜くことで行えます。
次に、本体カバーを取り外す作業に移ります。
多くのエアコンは、フロントパネルが引き上げることで簡単に取り外すことが可能です。
ただし、機種によって異なるので、取扱説明書を確認しながら作業を進めましょう。
-
電源を切る
-
フィルター蓋を開ける
-
フィルターを取り外す
-
フロントパネルを持ち上げて取り外す
以上の手順で、エアコンのファン部分にアクセスできる状態になります。
作業中は部品を紛失しないよう、取り外した部品は一箇所にまとめておきましょう。
(3)ファンを取り外す手順
では、エアコンファンの取り外し手順をご説明いたします。
-
まず、ファンを固定しているネジを見つけます。多くのエアコンでは、ファンは一つまたは二つのネジで固定されています。
-
次に、ドライバーでネジをゆっくりと回し、取り外します。このとき、ネジが飛ばないように注意してください。(外したネジは箱などにいれる)
-
ネジを取り外したら、ファンをそっと持ち上げて取り出します。力を入れすぎると部品を壊してしまう可能性があるので、慎重に行ってください。
-
最後に、取り外したファンを清潔な布やトレイの上に置きます。これは後の掃除作業をスムーズに行うためです。
以上がエアコンのファンの取り外し手順です。繰り返しになりますが、力を入れすぎず、丁寧に作業を行ってください。
(4)再組み立てについて
エアコンのファンをクリーニングしたら、最後に再組み立てをする必要があります。ここではその手順を詳しく説明します。
まず、ファンを本体に取り付けます。
取り付ける際には、ネジ穴が合わせられていることを確認しましょう。
間違って斜めに取り付けるとエアコンが正常に動作しなくなる可能性があるためです。
次に、本体カバーを元通りに戻します。カバーがきちんとハマっていることを確認してから、ネジを締めて固定します。
最後に電源を入れ、リモコンで運転を開始し、エアコンが正常に動作するかをチェックします。
ステップ |
手順 |
---|---|
1 |
ファンを本体に取り付け、ネジ穴を確認する |
2 |
本体カバーを元に戻し、ネジで固定する |
3 |
電源を入れ、リモコンで運転を開始し、正常動作を確認する |
手間はかかりますが、自分でエアコンのファンを取り外してクリーニングすることで、エアコンの寿命を延ばし、快適な空間を保つことができます。
4.エアコンファンの正しいクリーニング方法
(1)掃除の進め方
エアコンファンの掃除は、適切な手順で行わなければなりません。
まず、軽い汚れの場合は乾いた布やブラシでゆっくりと払い落とします。
次に、ひどい汚れには特殊な洗浄剤を使うことをお勧めします。
洗浄剤をスプレーし、一定時間置いた後、布またはスポンジで拭き取ります。
重要なのは、電子部品に水や洗浄剤が掛からないように注意することです。(故障の原因になります。)
また、洗浄後はしっかりと乾燥させることも忘れずに。これらの手順を繰り返すことで、エアコンファンは清潔さを保つことができます。
もし取り外しが難しい場合や、自身での掃除に不安がある場合は、適切な設備と知識を持つ専門業者に依頼することをお勧めします。
(2)注意事項
エアコンファンのクリーニングには、いくつか注意すべき点があります。
まず、エアコンの電源は必ず切ってから作業を始めてください。(感電防止、誤作動防止のため、コンセントを抜きましょう。)
電気ショックの危険があります。また、ファン自体はデリケートな部品なので、力任せに取り扱わないよう注意しましょう。
クリーニング用具については、硬すぎるブラシや金属製のものは避け、柔らかい布や専用の掃除ブラシを使用してください。
強力な洗剤もエアコンにダメージを与える可能性があるので、中性洗剤をおすすめします。
また、取り外したファンは完全に乾燥させてから再度取り付けることが重要です。
湿ったまま組み立てると、カビや錆の原因となります。
最後に、不明点があった場合やうまく取り外せない時は、無理に進めず専門家に相談することを推奨します。
5.クリーニングを依頼する場合の注意点
(1)業者選び
エアコンクリーニングを依頼する際の一つ目の注意点は、業者選びです。信頼できる業者を見つけるために、以下の三つのポイントを押さえましょう。
-
口コミや評判:インターネットを活用し、業者の評判や口コミを確認してみましょう。実際に利用したことがある人の意見は大変参考になります。
-
許可証:業者が適切な許可証を持っていることを確認しましょう。これにより、業者が法令に基づいた適切なサービスを提供していることがわかります。
-
見積もり:複数の業者から見積もりを取得し、比較検討してみましょう。価格だけでなく、サービス内容や対応についても確認することが重要です。
これらのポイントを踏まえて、自身のニーズに適った業者を選びましょう。
(2)料金について
エアコンクリーニング依頼の料金は、業者やエアコンの種類、汚れ具合等により異なります。
一般的に、壁掛けタイプのエアコンでは1台あたり8,000円から15,000円、床置きタイプでは15,000円から20,000円程度が相場となっています。
また、エアコンの設置場所や作業の難易度により追加料金が発生する場合もあります。例えば、高所作業や特殊な機種の取り外しが必要な場合などです。
以下に一般的な料金の目安を表で示します。
エアコンの種類 |
料金の目安 |
---|---|
壁掛けタイプ |
8,000円~15,000円 |
床置きタイプ |
15,000円~20,000円 |
料金は業者により大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
(3)サービス内容の確認
クリーニングを依頼する場合、業者によって提供されるサービス内容は異なるため、詳細を確認することが重要です。
例えば、ある業者はエアコン本体のクリーニングのみを行い、別の業者はファン取り外しまで含む全面的なクリーニングを提供するかもしれません。
以下に、クリーニング依頼時に確認すべき主なサービス内容を表形式で示します。
【サービス内容の確認ポイント】
内容 |
詳細 |
---|---|
エアコン本体のクリーニング |
エアコンのカバー、フィルター、冷却フィン、ドレンパン等の掃除が含まれるか |
ファンのクリーニング |
ファンの取り外し、クリーニング、再組み立てが含まれるか |
追加料金 |
上記以外の部品クリーニングや消耗品交換に追加料金が発生するか |
サービス内容を確認することで、自身の求めるクリーニングが実現されるか、また予算内で依頼できるかを把握することができます。
6.まとめ
エアコンクリーニングを依頼する際には、各業者が提供するサービス内容の違いを理解しておくべきです。
全ての業者が同じ範囲のクリーニングを行うわけではなく、業者によってはエアコン本体のクリーニングのみを行ったり、逆にファンの取り外し含む徹底的なクリーニングを行ったりします。
以下に、サービス内容の確認ポイントとして重要な項目を表形式で示します。
【サービス内容の確認ポイント一覧】
項目 |
詳細 |
---|---|
エアコン本体のクリーニング |
エアコンのカバー、フィルター、冷却フィン、ドレンパンなどの掃除が含まれているか |
ファンのクリーニング |
ファンの取り外しとクリーニング、そして再組み立てが含まれているか |
追加料金 |
特別な部品のクリーニングや消耗品の交換など、基本的なサービス以外で追加料金が発生するか |
サービス内容をきちんと確認することで、自分が求めるクリーニングを適切な価格で依頼することが可能となります。