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「知らなきゃ損!WIN5当選金にかかる税金とその申告方法」

※個別の税務判断については、管轄の税務署または税理士にご相談ください。 ※掲載情報は2026年1月現在の税制に基づいています。

 

1.はじめに

「WIN5」で数千万円、あるいは数億円という当選金を手にしたら、あなたは何を思い浮かべますか?

一生遊んで暮らせるという喜び、欲しかった車の購入、あるいは大切な人への贈り物……。夢は無限に広がります。

しかし、その一方で「当選金にかかる税金」について正しく理解している人は驚くほど少ないのが現状です。

実は、競馬の払戻金は、宝くじのような「非課税」ではありません。また、多くの人が誤解していることですが、WIN5の払戻金から税金が自動的に差し引かれる(源泉徴収される)こともありません。

つまり、手元に届いた大金は「税金を払う前の金額」であり、翌年に自分自身で正しく申告・納税しなければならないのです。

もしこれを知らずに全額使ってしまったら、後から多額の追徴課税に苦しむことになります。

本記事では、WIN5当選者が直面する税金の真実と、賢く合法的に資産を管理するための申告方法を、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。

 

2. 競馬のWIN5とは

(1) WIN5の概要

WIN5(ウインファイブ)とは、日本中央競馬会 (JRA) が発売している「重勝式投票券」の一種です。2011年の導入以来、競馬界で最も高額な配当が期待できる馬券として不動の人気を誇っています。

最大の特徴は、JRAが指定する5つのレースすべての勝ち馬(1着馬)をすべて的中させなければならないという点です。

  • 難易度: 5レースすべての1着を当てる確率は、出走頭数によりますが、フルゲート(18頭)の場合、理論上は約188万分の1という極めて低い数字になります。

  • 柔軟性: 1枠につき複数頭を選択可能です。例えば「1レース目は1頭、2レース目は3頭……」といった具合に買い目を広げられますが、選択頭数が増えるほど購入金額(買い目数)は膨らみます。

項目 内容
種類 重勝式馬券
発売者 日本中央競馬会(JRA)
当選条件 指定5レースの勝馬をすべて的中させる
購入単位 100円から(インターネット投票限定)
最高払戻金 100円につき6億円(法令による上限)

(2) WIN5の魅力と人気の理由

なぜこれほどまでに多くの競馬ファンがWIN5に魅了されるのでしょうか。その理由は主に3つあります。

  1. 圧倒的な高額配当

    他の馬券(三連単など)では数百万円、数千万円が限界となることが多いですが、WIN5は数億円という、まさに「人生を変える額」が飛び出します。

  2. キャリーオーバー制度

    的中者が一人もいない場合、配当金が次回の開催に持ち越される「キャリーオーバー」が発生します。これにより、さらに配当が跳ね上がるため、注目度が爆発的に高まります。

  3. 少額からのチャレンジ

    100円から億万長者を目指せる「宝くじ性」がありながら、自分の予想力やデータ分析を介在させることができるため、運と実力の両方を楽しみたい層から支持されています。

3.WIN5の当選金と税金

(1) WIN5の当選金の算出方法

WIN5の払戻金は「パリミュチュエル方式」によって算出されます。

(購入者全体の投票金額 - JRAの持ち分)÷ 当選口数 = 1口あたりの払戻金

JRAの持ち分(控除率)はWIN5の場合、およそ30%です。

残りの70%が的中者全員で分配されます。したがって、人気の馬が勝つほど当選口数が増えて配当は下がり、逆に「大荒れ」の展開になれば、たった一人の的中者が数億円を独占することになります。

 

(2) 当選金にかかる税金の計算方法(一時所得の正体)

JRAの払戻金には源泉徴収(天引き)制度は存在しません。

WIN5の当選金は所得税法上、「一時所得」という区分になります。

一時所得の計算は、他の所得(給与など)とは異なる特殊な計算式を用います。

 

【正しい税金の計算式】

課税対象となる金額(課税対象額)は以下の通りです。

【実践例】WIN5で1億円・1,000万円当たった時の税金シミュレーション

実際にWIN5が的中した際、手元にいくら残るのかをシミュレーションしました。

(※年収500万円の会社員が、的中馬券代100円で購入した場合の概算です。住民税・復興特別所得税を含みます)

当選金額 課税対象額(一時所得) 概算納税額(所得税+住民税) 手元に残る純利益
1億円 4,975万円 約 2,300万円 約 7,700万円
5,000万円 2,475万円 約 1,000万円 約 4,000万円
1,000万円 475万円 約 110万円 約 890万円
100万円 25万円 約 5万円 約 95万円

計算のポイント

  1. 税率は「合算」で決まる: 当選金が高額になるほど、日本の所得税は「累進課税」によって税率が上がります。1億円当選の場合、最高税率が適用されるため、約4分の1以上が税金として消える計算になります。

  2. 住民税も忘れずに: 確定申告をすると、その情報が自治体に送られ、翌年の「住民税」も跳ね上がります。所得税だけでなく、翌年6月以降の住民税支払い分も残しておく必要があります。

注意点:

  • 外れ馬券の購入費用は引けません: 1,000万円分購入して1億円当たったとしても、経費として引けるのは「当たった100円分」だけというのが税務上の原則です(※裁判例により例外が認められるのは、営利を目的として継続的に購入している極めて稀なケースのみです)。

  • 特別控除50万円: 年間の合計利益から50万円までは無税です。

  • 最後に1/2にする: 算出した利益の半分にだけ税金がかかるという、非常に有利な仕組みになっています。

【シミュレーション例】

WIN5で 1億5,000万円 当選したAさん(会社員)の場合:

  1. 利益:1億5,000万円 - 100円(的中馬券代)- 50万円(控除)= 1億4,949万9,900円

  2. 課税対象額:上記 ÷ 2 = 7,474万9,950円

  3. この約7,475万円が、Aさんの年収(給与所得)に合算され、所得税と住民税が計算されます。所得税率は最高45%に達するため、当選金の約3分の1程度が納税額になる可能性があります。


4. 当選金にかかる税金の申告方法

(1) なぜ確定申告が必要なのか

WIN5の払戻金は、銀行振込(即パットなど)であっても、窓口受取であっても、その瞬間に税金は引かれません。

しかし、JRAのシステムには購入履歴が残っており、税務署は高額な資産の動き(不動産購入や銀行口座の残高急増)を把握する権限を持っています。

後から指摘されると、本来の税金に加えて「無申告加算税」や「延滞税」という重い罰則が課せられます。そのため、自発的な確定申告が唯一の身を守る手段となります。

 

(2) 確定申告を用いた税金支払い

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日の間に税務署へ報告・納税する手続きです。

  • ステップ1:書類の準備JRAのインターネット投票サイトから年間の「払戻金受取状況」をダウンロードまたはプリントアウトします。
  • ステップ2:申告書の作成国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxを利用します。「一時所得」の欄に当選金額と経費(的中馬券代)を入力します。
  • ステップ3:納税計算された税額を、銀行振込やクレジットカード、コンビニなどで支払います。

(3) 非課税(申告不要)の条件

すべての人に確定申告が必要なわけではありません。以下の場合は申告が不要です。

  • 給与所得者の場合: 年間の給与以外の所得(一時所得の課税対象額を含む)が合計20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(※住民税の申告は別途必要な場合があります)。

  • 利益が50万円以下: 払戻金から購入代金を引いた純利益が年間50万円以下なら、そもそも課税対象になりません。


5. 当選金を賢く、合法的に管理するためのコツ

(1) 「納税用口座」の分離

高額当選した際、最もやってはいけないのが「当たったお金をすべて同じ口座に入れておくこと」です。

前述の通り、WIN5の税金は後払いです。

当選金額の約20%〜40%(他の年収によります)は、「最初からなかったもの」として別の口座に隔離してください。

これにより、翌年3月の納税時期にパニックになることを防げます。

 

(2) 競馬専門の視点を持つ税理士への相談

数千万円、数億円という当選金を得た場合、素人が一人で申告するのはリスクが高すぎます。

特に「外れ馬券を経費にできるか」といった判断は非常にデリケートであり、税務署と見解が分かれることが多々あります。

そこで頼りになるのが、競馬やギャンブル関連の税務に精通した税理士です。

比較項目 一般的な税理士 競馬に強い税理士
所得税申告 完璧に対応可能 完璧に対応可能
競馬の判例知識 知識として知っている程度 過去の最高裁判例等を踏まえた助言が可能
経費の精査 保守的に「的中のみ」と指導 状況に応じ、どこまでが認められるか精査
税務調査対策 一般的な対応 ギャンブル所得特有の質問への対策

「WIN5」の当選金を手にしたら、まずは専門家への相談を検討しましょう。適正な申告は、将来の安心を買うための必要経費です。

 

6.まとめ

WIN5は私たちに大きな夢を与えてくれますが、同時に「納税」という社会的な責任もセットでついてきます。

  • WIN5に源泉徴収(天引き)はない。

  • 当選金は「一時所得」であり、確定申告が必須。

  • 利益が50万円を超えたら、翌年の税金に備える。

  • 高額当選時は、競馬に強い税理士を味方につける。

これらを理解しておくことで、せっかくの当選金を不安なく、有意義に活用することができます。正しい知識を持って、合法的に、そして賢く「億り人」の生活を楽しみましょう!

「WIN5」の当選金が大きいと、その税金計算や申告は一筋縄ではいかないものです。

そこで役立つのが、税金の専門家である「税理士」の力です。特に、競馬に詳しい税理士は、競馬の複雑なシステムや税法、非課税控除について精通しており、最適なアドバイスをくれます。

競馬特有の制度や細部のルールを理解しているため、税金の負担を最大限に軽減する戦略を立てることが可能となります。

次の表は、一般的な税理士と競馬専門の税理士の間で見られる違いを示しています。

一般的な税理士

競馬専門の税理士

税法全般

競馬の税控除

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競馬の税制度

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「WIN5」の当選金を手にしたときは、まずは競馬専門の税理士に相談してみてください。それが賢明なステップといえるでしょう。

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