【結論】新幹線のグリーン車、コンセントは全席にありますか?
はい、現在の新幹線グリーン車は「全席」にコンセントが設置されています
長時間の移動が伴う新幹線での旅行や出張において、スマートフォンやノートパソコンの充電ができるかどうかは、旅の快適性を左右する重要なポイントです。
その疑問に対する結論として、現在の新幹線のグリーン車では、そのほとんどの車両で全ての座席に電源コンセントが設置されています。
普通車の場合、窓側の席や最前列・最後列といった一部の座席にしか設置されていないケースも少なくありませんが、グリーン車を選択すれば、通路側の席であっても充電のために場所を選ぶ必要はほぼありません。
ただし、東北新幹線などで今も運行されているE2系といった旧型の車両では、例外的にコンセントが装備されていない編成も存在します。
これはあくまで例外的なケースですが、知識として覚えておくと、より確実に電源を確保できるでしょう。
場所はどこ?主に「ひじ掛け」か「足元」の2パターンです
グリーン車でコンセントが設置されている場所は、利用者の利便性を考慮し、主に座席の「ひじ掛け」の先端部分に配置されています。
東海道・山陽新幹線を走るN700SやN700A、そしてJR東日本が運行する各新幹線の新しい車両でも、グリーン車のコンセントはこのひじ掛け部分に集約される傾向にあります。
これにより、着席したまま非常に自然な姿勢で、手軽に充電ケーブルを抜き差しすることが可能です。
普通車の場合は窓際の壁、つまり足元付近に設置されていることが多く、少し屈む必要がありますが、グリーン車では人間工学に基づいた、より使いやすい位置に配置されているのが大きな特長と言えます。
窓側・通路側、どちらの席を選んでもコンセントは利用可能です
グリーン車を利用する大きなメリットの一つが、窓側の席か通路側の席かに関わらず、全ての座席で平等にコンセントを利用できるという安心感です。
普通車、特に少し前の世代の車両では、コンセントの数が限られているため、予約時に窓側の席を確保しなければならないという制約がありました。
もし窓側が埋まっていれば、充電を諦めるか、他の列車を探す必要があったかもしれません。
しかしグリーン車であれば、そうした心配はほとんど無用です。
どの席を予約しても確実に電源を確保できるこのアドバンテージは、特にバッテリー残量が気になるビジネスでの利用や、地図アプリやカメラを多用する長距離の旅行において、料金以上の価値を感じさせてくれるはずです。
【写真で解説】車両ごとのコンセント位置の違い
[車両ごとのグリーン車コンセント位置を比較している画像] 新幹線と一括りに言っても、その車両形式によってコンセントの装備状況は少しずつ異なります。
現在、日本の大動脈を走る東海道・山陽新幹線の最新型車両「N700S」は、グリーン車はもちろんのこと、普通車を含めた全ての座席のひじ掛け部分にコンセントを標準装備しており、最も進んだ設備を誇ります。
その一つ前の主力車両である「N700A」でも、グリーン車は全席のひじ掛けにコンセントが設置されています。
同様に、東北・北海道新幹線などを走るE5系や、上越・北陸新幹線で活躍するE7系といったJR東日本の主力車両のグリーン車も、全席のひじ掛けでコンセントが利用可能です。このように、新しい世代の車両ほど、グリーン車の電源環境は充実していると言えます。
【路線・列車別】私が乗る新幹線のグリーン車コンセント情報
東海道・山陽新幹線(のぞみ・ひかり等)のコンセント設置場所
日本の鉄道の大動脈としてビジネスや観光を支える東海道・山陽新幹線。この路線を走る「のぞみ」「ひかり」「こだま」では、使用されている車両がN700SまたはN700Aであるため、グリーン車を選べば、どの列車であっても全席でコンセントの利用が可能です。
コンセントは、各座席に備えられたひじ掛けの前方という、アクセスしやすい位置に設置されています。
列車名によってコンセントの有無や設備が変わることはありません。
最も速い「のぞみ」でも、停車駅の多い「こだま」でも、グリーン車であれば同じ快適な電源環境が約束されているので、安心して予約できます。
画像引用:JRおでかけネット
東北・北海道新幹線(はやぶさ・こまち等)のコンセント設置場所
東北・北海道・山形・秋田の各新幹線では、運用される車両の種類が多様であるため、コンセントの状況も一律ではありません。
E5系(「はやぶさ」などで使用)や、その北海道新幹線版であるH5系、そして秋田新幹線「こまち」で使われるE6系のグリーン車では、全座席のひじ掛けにコンセントが完備されています。
一方で注意が必要なのが、E2系やE3系といった少し古い車両です。これらの形式では、コンセントを装備する編成と装備していない編成が混在しています。
ただし、コンセントを装備している編成に当たれば、グリーン車は全席で利用可能です。
コンセント付きのE3系(2000番台)は、先頭車両のヘッドライトがつり目状であるなどの外見的特徴で見分けることもできますが、確実性を求めるならE5系などが使われる列車を選ぶのが賢明です。
画像引用:JRE MALL media
上越・北陸新幹線(とき・かがやき等)のコンセント設置場所
上越新幹線(「とき」など)や北陸新幹線(「かがやき」など)で運用されているE7系およびW7系の車両は、新幹線として初めて「全席にコンセントを設置」した画期的な車両です。
そのため、グリーン車はもちろんのこと、普通車や最上級クラスのグランクラスを含め、どの座席に座っても電源を確保することができます。
特にグリーン車とグランクラスでは、座席のひじ掛けという便利な位置にコンセントが備え付けられており、快適な移動時間を過ごすことが可能です。
この路線では、コンセントの有無を心配して車両や座席を選ぶ必要は一切なく、誰もが平等にその利便性を享受できます。
普通車のコンセント付き座席との違いとメリット
普通車の場合、N700AやE2系といった世代の車両では、コンセントは窓側の席と、各車両の最前部・最後部の座席に限定して設置されていることが多くあります。
そのため、通路側の席では利用できず、予約の段階でコンセントのある席を意識して選ぶ必要がありました。
しかしグリーン車では、ごく一部の古い車両の例外を除き、ほぼ全ての車両で全席にコンセントが設置されています。
座席の場所を気にすることなく、確実に電源を確保できるこの「安定性」と「自由度」こそ、普通車との大きな違いであり、グリーン車の明確なメリットと言えるでしょう。
最後列の席でコンセントが背後に来てしまいケーブルの取り回しに困る、といった普通車特有の悩みからも解放されます。
新幹線グリーン車のコンセント利用Q&A|使い方と注意点
コンセントの形状は?USBポートは付いていますか?
新幹線のグリーン車に設置されているコンセントは、日本国内で一般的に使用されている家庭用のものと同じ、2穴のAタイプです。
そのため、お持ちのスマートフォンやノートパソコンのACアダプターをそのまま差し込んで使用することができます。
近年、USBポートでの給電が一般的になっていますが、提供されたデータベースの情報によれば、新幹線の座席にUSBポートが併設されているという記述は見当たりませんでした。
したがって、充電の際にはUSBケーブルだけでなく、必ずACアダプター(コンセントに差し込む部分)も一緒に準備する必要がありますのでご注意ください。
パソコンの充電で長時間使っても大丈夫?
はい、長時間の利用を想定して設計されているため、全く問題ありません。
新幹線のグリーン車は、移動時間を快適なワークスペースとして活用することも想定しています。
例えばN700系新幹線では、従来よりもサイズが大きくなったスライド式の背面テーブルが設置されており、ノートパソコンを安定して置いて作業ができます。
その上で、手元のひじ掛けから電源を取れるため、バッテリー残量を一切気にすることなく安心して仕事や作業に集中できます。
まさに「動くオフィス」として、長時間の移動でも生産性を維持できる環境が整っています。
延長コードやタコ足配線は使用できる?
座席に設置されているコンセントは、安全上の観点からも、基本的にはその座席の利用者一人が一つの機器を接続することを想定しています。
データベースの情報を見ても、1席につき1つのコンセントが用意されていることが示唆されており、延長コードや複数の機器を同時に充電できるタコ足配線(テーブルタップ)の利用を許可する記述はありませんでした。
周りの乗客への配慮や、車内の電力容量の観点からも、私的な延長コードの使用は控え、座席に備え付けのコンセントをそのまま利用するのがマナーと言えるでしょう。
ドライヤーやヘアアイロンは使ってはダメ?消費電力のルール
在来線グリーン車の情報にはなりますが、車内コンセントの電力は通常100V・最大2Aとされています。
これはスマートフォンやノートパソコン、タブレットといった一般的な電子機器を充電するには十分な容量です。
しかし、ドライヤーやヘアアイロン、電気ケトルといった、熱を発生させる製品は非常に大きな電力を消費します。
データベースにはこれらの高出力な電化製品の使用に関する直接的な禁止の記述はありませんでしたが、車内全体の電力供給には限りがあるため、このような機器の使用は控えるべきです。
意図しない停電や故障の原因となる可能性も考えられます。
充電器が大きくて差込口に入らない時の対処法
コンセントの差込口はひじ掛けなどに埋め込まれているため、その周りの形状によっては、ACアダプターの大きさや形が干渉して物理的に差し込めないというケースも稀に考えられます。
特に正方形に近い大型のアダプターなどは注意が必要かもしれません。
この問題に関する具体的な対処法はデータベースには記載されていませんでした。
万が一に備えるのであれば、複数の充電器をお持ちの場合、よりコンパクトなタイプのものを持参するか、あるいはアダプターの向きを変えられるような短い電源ケーブルを準備しておくと、いざという時に安心かもしれません。
【要注意】在来線(普通列車)のグリーン車にコンセントはある?
宇都宮線・高崎線・常磐線グリーン車のコンセント設置状況
首都圏を走り、多くの通勤・通学客や旅行者を運ぶ在来線(普通列車)のグリーン車ですが、新幹線とは異なり、コンセントが設置されていない路線が多く存在します。
具体的には、東京と栃木県を結ぶ宇都宮線、群馬県へ向かう高崎線、同じく高崎から新前橋までの上越線、そして茨城県方面へ延びる常磐線のグリーン車には、現在のところ電源コンセントは設置されていません。
これらの路線は比較的長距離を走るため、グリーン車でゆっくり過ごしたい方も多いですが、電子機器の充電が必要な場合は、乗車前に十分に充電しておくか、大容量のモバイルバッテリーを忘れずに持参することをお勧めします。
横須賀線・総武線快速グリーン車にコンセントはある?
はい、あります。首都圏の在来線の中でも、横須賀線(東京~久里浜)と総武快速線(東京~千葉)を走るグリーン車では、全ての座席でコンセントが利用可能です。
これは、2020年12月から導入が開始されたE235系という最新型の車両が使用されているためです。
このE235系グリーン車は、2階建て構造の窓側・通路側のどちらの座席でも、ひじ掛け部分にコンセントが完備されています。
さらに、JR東日本が提供する無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスも利用できるため、充電しながらインターネットに接続し、動画視聴やリモートワークを行うなど、新幹線さながらの非常に快適な移動時間を過ごすことができます。
【最新情報】中央線に導入されるグリーン車のコンセントはどうなる?
東京の東西を結ぶ大動脈である中央線快速および青梅線の一部の直通列車にも、新たにグリーン車サービスが導入される計画が進行中です。
JR東日本の発表によると、2024年度末以降、全ての編成に2階建てのグリーン車が2両ずつ連結される予定です。
この新しいグリーン車は、横須賀線・総武快速線で好評のE235系がベースとなり、もちろん全席のひじ掛け部分にコンセントが設置されます。
加えて無料Wi-Fiも完備されることが発表されており、通勤や観光での利便性が格段に向上することが期待されています。
なぜ在来線グリーン車にはコンセントが少ないのか?
在来線のグリーン車において、コンセントの有無に大きな差があるのは、一言でいえば「使用されている車両の設計・製造年代の違い」が原因です。
コンセントが全面的に採用されたのは、2020年に登場したE235系という、誰もがスマートフォンを持つ時代に設計された車両からです。
一方で、現在も東海道線や宇都宮線などで主力として運行されているE231系(2000年導入)やE233系(2008年導入)といった車両が設計・製造された当時は、座席のコンセントはまだ標準的な設備ではありませんでした。
そのため、これらの車両にはコンセントが設置されていないのが現状です。
車両の更新は順次進められていますが、全ての路線に行き渡るにはまだ時間が必要です。
コンセントが使える快適なグリーン車を予約するコツ
グリーン車の料金は普通車とどれくらい違う?
グリーン車は、普通車よりも上のクラスとして位置づけられており、その分、料金も高く設定されています。
具体的には、乗車券と特急券(または普通列車グリーン券)に加えて、グリーン料金が別途必要になります。
このグリーン料金は、利用する区間の距離に応じて変動しますが、その価格には、単に座席が豪華になるというだけでなく、この記事で解説してきたような全席コンセント設置といった付加価値の高い設備や、各種サービスの対価が含まれていると考えることができます。
コンセント以外のグリーン車のメリット(座席・サービスなど)
コンセントが全席で利用できるという実用的なメリット以外にも、グリーン車には移動時間を豊かにする多くの魅力があります。
最大の特長は座席の快適性です。
普通車が横2-3列の配置なのに対し、グリーン車は2-2列と通路も座席もゆったりしています。
座席の前後間隔も、例えばN700系では普通車の1040mmに対してグリーン車は1160mmと12cmも広く、足を伸ばせるフットレストも完備。リクライニング時には座面も連動する「シンクロナイズド・コンフォートシート」が採用され、長時間の乗車でも疲れにくい設計です。
さらに東海道・山陽新幹線では、アテンダントによるおしぼりのサービスや、グリーン車限定のモバイルオーダー・車内販売があり、「シンカンセンスゴイカタイアイス」や希少な「山崎12年」のミニチュア瓶を購入できるのも特別な体験です。
「コンセント目的」でグリーン車を選ぶのはアリ?料金分の価値は?
「移動中にどうしてもパソコン作業が必要」「スマートフォンのバッテリーが切れそうで、モバイルバッテリーも持っていない」そんな切実な状況において、普通車のコンセント付き座席が確保できない場合、追加料金を払ってでもグリーン車を選ぶのは非常に合理的な選択肢です。
電源を確実に確保できるという実用的な安心感に加えて、先述したような幅広で快適なリクライニングシートや、比較的静かで落ち着いた車内環境も同時に手に入ります。
単にコンセントを使うためだけでなく、その移動時間そのものを、生産性の高いワークタイムや、誰にも邪魔されない上質なリラックスタイムへと変えたいと考える方にとって、グリーン車はその料金に見合う、あるいはそれ以上の価値を提供してくれることでしょう。