なぜ?新幹線に犬を乗せるのを断られた【5つの主な理由】
楽しみにしていた愛犬との旅行や帰省。しかし、駅の改札で「この子はお乗せできません」と乗車を断られてしまったら、せっかくの計画が一瞬で崩れ去ってしまいます。
そのショックは計り知れません。なぜ、新幹線に犬を乗せるのを断られてしまうのでしょうか。
その背景には、多くの飼い主が見落としがちな、いくつかの明確な理由が存在します。
これらはJR各社が定める「ルール」であり、安全な運行と全ての乗客の快適性を守るために設けられています。
ここでは、実際に断られた事例やトラブルの体験談をもとに、その主な5つの原因を詳しく、そして深く掘り下げて解説します。
この原因を知ることが、次なる成功への第一歩です。
理由①:ケース(キャリー)が大きすぎた・重すぎた
新幹線で犬の乗車が断られる最も頻繁で、かつ根本的な理由が、持ち込むケース(キャリーバッグ)のサイズや重量がJRの厳格な規定を超えていることです。
JR各社では、ペットを手回り品として持ち込む際のルールを明確に定めており、その基準は「タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内」で、なおかつ「ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内」とされています。
この基準は絶対であり、たとえ1センチ、100グラムでも超えてしまうと、手回り品として認められず、乗車を拒否されてしまいます。
実際に、「旅行前夜に自宅で計量したつもりが、当日に駅で測るとキャリーごと13kgあり、駅員さんに規定オーバーで手回り品きっぷの発券を拒否され、泣く泣く高速バスに切り替えた」という切実な体験談や、おとなしい性格のゴールデンレトリバーを連れて行ったものの、当然ながら体重が原因で乗車できなかったという事例も報告されています。
飼い主の「これくらいなら大丈夫だろう」という甘い見込みは通用しない、ということを肝に銘じる必要があります。
理由②:犬の顔や体の一部がケースの外に出ていた
JRのルールでは、犬の体全てがケースの中に完全に収まっていることが、乗車の絶対条件です。
たとえ愛犬が暑がっているように見えたり、不安そうにしているのを安心させるためであっても、顔や足、尻尾の一部でもケースの外に出ている状態は明白な規定違反となります。
これは、愛犬自身の安全確保(不意の飛び出し防止)と、他の乗客への配慮という二つの重要な観点から定められた、非常に厳格なルールです。
実際に、割増料金を支払って静かな環境を求めて乗ったグリーン車で、バッグのようなものから顔を出したチワワと思われる犬が激しく吠え続け、飼い主が何も対処しなかったために非常に不快な思いをしたという乗客の声がありました。
このような体験は、犬連れの乗客全体への印象を悪化させかねません。
「うちの柴犬は暑がりなので顔だけ出していたら、駅員さんから『全身がケースに入っていないと乗車できません』と注意され、出発直前に慌てて対応することになった」という声もあり、ルール遵守の徹底が求められます。
理由③:「手回り品きっぷ(乗車料金)」を買い忘れていた
愛犬を新幹線に乗せるには、人間用の乗車券や特急券とは別に、ペットのための「普通手回り品きっぷ」を1個につき290円で購入する必要があります。
このきっぷの存在を知らなかったり、単純に買い忘れたりしたことが原因で、いざ改札を通ろうという段階で止められてしまうケースは後を絶ちません。
このきっぷは、自動券売機やインターネット予約の画面では購入できず、必ず乗車日当日に駅の改札窓口やその付近のきっぷうりばで、係員に実際に犬が入ったケースを見せて、サイズや規定を確認してもらった上で、現金で購入する必要があります。
クレジットカードや交通系ICカードでの支払いができない点も注意が必要です。
「当日になって改札で初めて『手回り品きっぷ』が必要だと知り、発車時刻が迫る中で慌てて窓口を探した」という経験談もあるように、事前の情報収集不足が、当日のスムーズな旅を妨げる大きなトラブルに繋がってしまいます。
理由④:ペット用とわからないバッグに入れていた
新幹線に犬を持ち込む際は、JRが定める「動物専用のケース」を使用することが必須条件です。
そのため、柔らかい布製で形態が固定しないドッグスリングや、飼い主が普段使いしているだけの普通のショルダーバッグなどでは、たとえ犬の全身が収まっていたとしても乗車を断られます。
ここで言う「専用ケース」とは、犬が中で最低限、体の向きを変えられる程度の空間があり、かつ、外部からの衝撃にある程度耐えられ、形状がしっかりと自立するものである必要があります。
実際に「いつも使っていて愛犬も落ち着くからとドッグスリングで連れて行ったら、『このタイプのキャリーではご乗車いただけません』と断固として言われ、駅の近くのペットショップを探してハードタイプのキャリーを急いで購入する羽目になり、余計な出費と時間のロスになった」という手痛い体験談もあり、ケース選びがいかに重要かがわかります。
理由⑤:2匹以上の犬を1つのケースに入れていた
ルール上、1つのケースに2匹以上の犬を入れること自体は禁止されていません。
しかし、ここでも非常に重要になるのが「ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内」という鉄壁の重量制限です。
例えば、3kgの小型犬2匹と2kgのキャリーであれば合計8kgで規定内ですが、4kgの犬2匹と2.5kgのキャリーでは合計10.5kgとなり、わずか500gの超過で乗車できなくなります。
このように、2匹の犬を1つのケースに入れると、この重量制限を超えてしまう可能性が非常に高くなるのです。
結果として、サイズは問題なくても重量オーバーを理由に乗車を断られてしまうことにつながります。
多頭飼いの飼い主が新幹線を利用する際は、それぞれの犬を規定内の別のケースに入れるか、1つのケースに入れる場合でも合計重量を家庭用の体重計などで厳密に、そして余裕をもって測定しておく必要があります。
【JR公式ルール】犬と新幹線に乗るための全知識
愛犬との新幹線移動で「断られた」という悲しい事態を二度と繰り返さないためには、JRが定める公式ルールを正確に、そして深く理解しておくことが不可欠です。
ここでは、乗車するための条件、料金体系、そして車内でのマナーについて、基本から応用までを網羅的に解説していきます。
持ち込める犬の条件とは?(大きさ・重さの規定)
新幹線に手回り品として持ち込める犬には、前述の通り、明確な条件が定められています。
最も重要なのが、サイズと重量の規定です。改めて詳細に確認すると、「タテ・ヨコ・高さの3辺の合計が120センチ以内の動物専用のケース」に犬を入れ、「ケースと動物を合わせた全体の重さが10キロ以内」でなければなりません。
この二重の規定があるため、事実上、新幹線に乗車できるのは小型犬や成長期の子犬に限られます。
持ち込める動物の種類としては、小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(インコ、ウサギ、ハムスターなど)とされています。
一方で、猛獣やへびなど、他の乗客に危害や恐怖感を与えるおそれのある動物は、当然ながら持ち込むことができません。
【最重要】ケース(キャリーバッグ)のサイズ・形状ルール
ケース選びは、新幹線乗車計画の成否を分ける最重要ポイントの一つです。
規定を満たすためには、単にサイズや重さをクリアするだけでなく、ケースの「材質」と「形状」にも細心の注意が必要です。
必ず、犬の全身が完全に収納でき、かつ、バッグ自体がその形状を保ってしっかりと自立する「動物専用のケース」でなければなりません。
プラスチック製のハードクレートや、内部に骨組みが入っていて型崩れしないソフトキャリー、リュックタイプのキャリーなどがこれに該当します。
一方で、抱っこひものようなドッグスリングや、飼い主の体に密着させて使う柔らかい布だけでできた自立しないバッグは、たとえ犬の全身が入っていても、安全性の観点から利用できません。
これは、万が一の急ブレーキや揺れの際に、犬を適切に保護できないためです。
犬の乗車料金はいくら?「手回り品きっぷ」の買い方と値段
犬を新幹線に乗せるための料金は、ペットを入れたケース1個につき290円です。
この料金は、東京から博多まで乗車しても、隣の駅まででも変わらない、乗車距離にかかわらず一律の料金です。支払いのプロセスは非常にアナログで、乗車日当日に駅の改札窓口やその付近にある「みどりの窓口」など、係員のいる場所で行います。
その際、係員に犬が入った状態のケースを実際に見せ、サイズや形状、犬が完全に収まっているかなどが規定内であることを直接確認してもらう必要があります。
支払いは現金のみで、クレジットカードや交通系ICカードは利用できない場合がほとんどなので、必ず290円の現金を用意しておきましょう。
このきっぷは自動券売機では購入できないため、乗車時間には十分に余裕を持って駅に向かい、手続きを済ませることが肝心です。
新幹線車内での犬の置き場所はどこが正解?
多くの飼い主が勘違いしがちですが、愛犬のために追加で座席を購入し、そこにケースを置くことは規則で明確に認められていません。
JRの旅客営業規則では、乗客1人につき利用できる座席は1席と厳格に決まっています。
そのため、犬を入れたケースの正規の置き場所は、飼い主自身の「座席の足元」、または「膝の上」のどちらかになります。
座席の上にケースを置くことは、他の乗客から見れば荷物を置いているのと同じであり、マナー違反と見なされます。また、座席の下は冬場に暖房の温風が、夏場は冷房の冷風が直接当たることがあり、犬の体調に悪影響を与える可能性も否定できません。
愛犬の様子を見ながら、安全で快適な置き場所を確保してあげることが飼い主の務めです。
犬との新幹線乗車Q&A|よくある疑問をすべて解決
ルールを理解しても、実際の場面を想像すると「こんな時はどうするの?」という細かな疑問が次々と湧いてくるものです。
ここでは、実際に犬と新幹線に乗ろうとする飼い主さんたちが抱きがちな、より具体的で実践的な疑問について、Q&A形式で一つひとつ丁寧に、そして明確に解説していきます。
犬を2匹連れて新幹線に乗ることはできる?
はい、可能です。ただし、いくつかのルールをクリアする必要があります。
1人の乗客が持ち込める手回り品は、身の回りの品(ハンドバッグなど)とは別に2個までと定められています。
この規則の範囲内であれば、それぞれの犬を規定サイズ・重量内のケースに1匹ずつ入れ、ケースを2つ持ち込むという方法が考えられます。
あるいは、1つのケースに2匹を入れることも可能ですが、その場合も「ケースと犬2匹を合わせた合計重量が10キロ以内」という厳しい条件をクリアしなければなりません。
どちらの方法を選ぶにせよ、犬たちがケースの中で窮屈な思いをせず、体の向きを変えられる程度のスペースが確保されているか、愛情をもって確認してあげることが大切です。
ペットカート(犬用バギー)のまま乗車しても大丈夫?
いいえ、一般的なペットカートのまま乗車することは基本的にできません。
なぜなら、ほとんどのペットカートは、その全体の大きさが手回り品のサイズ規定である「タテ・ヨコ・高さの合計120センチ」を大幅に超えてしまうためです。
しかし、全てのカートが不可能というわけではありません。
例外として、カートの「ケース(コット)部分」と「車輪のついたフレーム部分」を工具なしで簡単に分離できるタイプであれば、持ち込みが可能です。
その場合の条件は、分離したケース部分が単体で手回り品のサイズ・重量規定を満たし、かつ、残りのフレーム部分が折りたたんだ状態で、無料で持ち込める手回り品のサイズ(例えば、長さ2メートル以内など)に収まることです。
ただし、突起物があるなど、他の乗客に危害を及ぼすおそれがあると判断された場合は断られる可能性もあり、最終的な判断は駅係員に委ねられます。
グリーン車や個室なら犬をケースから出せる?
いいえ、たとえ追加料金を支払ったとしても、犬をケースから出すことは一切できません。
グリーン車は普通車よりも座席が広く快適ですが、ペットに関するルールは全く同じです。
どのような座席であっても、新幹線の車内では犬をケースから出すことは固く禁じられています。
実際に、グリーン車で犬が顔を出して吠えていたことで、他の乗客が「高いお金を払っているのに全くくつろげない」と非常に不快な思いをしたという事例も報告されています。また、一部の新幹線にある「多目的室」は、体の不自由な方や気分のすぐれない方、授乳をする方などが最優先で利用する設備であり、ペット同伴のために自由に使えるわけではありません。
たとえ運良く空いていて車掌の許可を得て利用できたとしても、そこでも犬をケースから出すことは許されません。
乗車中に犬が吠える・鳴く場合の対策は?
飼い主にとって最も心配なのが、慣れない環境での車内での鳴き声や吠え声でしょう。
最も効果的で根本的な対策は、事前の「慣らしトレーニング」に尽きます。
出発前からキャリーケースを「安心できる自分だけの部屋」だと教え、おやつなどを使ってポジティブな印象付けをすることが重要です。
その上で、短い時間から在来線などに乗る練習を重ね、電車の音や揺れに慣れさせておきましょう。
ある獣医師は「車内でのパニック行動は“慣れ”の有無が9割を占める」と指摘しています。
当日の対策としては、キャリーに普段使っている飼い主の匂いがついたブランケットを入れたり、上から布をかけて視界を遮り、落ち着ける暗い環境を作ってあげることが有効です。また、長時間楽しめる知育トイや特別なおやつを与えたり、低い声で優しく声をかけて安心させることも試してみてください。
それでも鳴きやまない場合は、周りの乗客への配慮として、速やかにデッキへ移動するのが最低限守るべきマナーです。
大型犬・中型犬は新幹線に乗れないの?
非常に残念ですが、結論から言うと、現在のJRの規定では、ほとんどの中型犬や大型犬は新幹線に乗車することができません。
最大の障壁は、「ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内」という重量制限です。
犬自身の体重だけで10キロを超えてしまう犬種は、このルールがある限り乗車は不可能です。
盲導犬や介助犬、聴導犬といった、法律で定められた身体障害者補助犬は、使用者本人が同伴する場合に限り、このルールの例外としてケースに入れずに同伴が認められています。
しかし、それ以外の一般的なペットとしての中・大型犬を新幹線で移動させるのは非常に困難です。
その場合の代替手段としては、自家用車での移動が最も自由度が高いですが、その他にもペット同伴可能なレンタカー、一部の航空会社の貨物室預けサービス、あるいはペット輸送を専門に行う業者などを検討する必要があります。
もう断られない!愛犬との新幹線乗車に向けた準備と当日の流れ
ルールを完全に理解したら、次はいよいよ実践的な準備の段階です。旅行は準備が9割と言われます。
前日までの入念な用意と、当日のスムーズな行動計画を把握しておけば、不安なく愛犬との旅を心から楽しむことができます。
【乗車前日】持ち物チェックと愛犬のコンディション調整
旅行前夜は、少し落ち着かない気持ちになるかもしれませんが、持ち物の最終確認をリストに沿って行いましょう。まず、手回り品きっぷ購入のための現金290円は財布の中の別のポケットに入れるなどして、すぐに取り出せるようにしておきましょう。
その他、移動中に水分補給ができる給水ボトル(ノズルタイプがこぼれにくく推奨されます)、万が一の粗相に備えた吸収性の高いペットシーツや体にフィットするマナーパンツ、そして使用済みシーツを入れるための防臭効果の高い袋は必須です。
さらに、愛犬が落ち着くためのお気に入りの小さなおもちゃや、普段使っている匂いのついたブランケット、そして長時間静かに集中していられるような特別なおやつも忘れずに準備します。また、愛犬自身のコンディションを整えることも非常に大切です。
前日にお風呂に入れて体を清潔にしておけば、抜け毛やペット特有の匂いの心配が軽減され、アレルギーを持つ方など周囲への目に見えない配慮にも繋がります。
【乗車当日】駅でやることリスト(きっぷ購入から乗車まで)
当日は、頭の中でシミュレーションした通りに、時系列に沿って行動すると心に余裕が生まれます。まず、乗り物酔いを防ぐため、食事は新幹線に乗る2、3時間前には済ませ、量は普段より少し控えめにしてあげましょう。
そして、家を出る直前には、必ず散歩に連れて行き、排泄をしっかりと済ませておくことが、長時間の移動を快適にするための最も重要なポイントです。
駅には、発車時刻より最低でも30分、できれば1時間ほど余裕を持って到着するのが理想です。
駅に着いたら、自動改札や券売機には向かわず、まず有人改札やみどりの窓口へ直行します。
そこで係員に愛犬の入ったケースを見せ、「普通手回り品きっぷ」を現金で購入します。
この一連の流れを落ち着いて、そして確実に行うためにも、早め早めの行動を心がけましょう。
【乗車中】周りの乗客への配慮と最低限守るべきマナー
新幹線は、様々な目的を持つ人々が利用する公共の空間であり、乗客の中には犬が心底苦手な人や、深刻な動物アレルギーを持つ人もいるということを、常に忘れてはいけません。
飼い主の一挙手一投足が、愛犬の印象、ひいては犬を連れて旅をする全ての乗客全体の印象を左右します。
購入した座席以外にケースを置かず、必ず自分の足元か膝の上に置き、通路を塞がないようにしましょう。
車内では、愛犬が吠えたり騒いだりしないよう最大限の注意を払い、もし落ち着かない様子を見せたら、躊躇なく、すぐにデッキに移動して気分を落ち着かせてあげてください。
「犬だから仕方ないでしょ」という態度は、最も避けるべきです。
静かに快適に過ごしてもらうのが当たり前、という高い意識を持つことが、信頼される飼い主の証です。
おすすめの座席はどこ?指定席の選び方
座席の選び方一つで、移動の快適さと安心感は大きく変わります。
犬連れの場合、数ある座席の中でも特におすすめなのは、各車両の一番前、または一番後ろの座席です。
これらの席は、他の座席に比べて前の空間や後ろの空間が広く、キャリーケースを置くのに十分な余裕があります。また、出入り口であるデッキにも近いため、犬がぐずった時や気分転換が必要な時に、他の乗客の前を何度も横切ることなく、すぐに車外の空気が吸える場所へ移動しやすいという大きな利点もあります。
通路側の席を選ぶと、窓側の乗客に気兼ねなく席を立ちやすいです。
さらに、可能であれば、通勤ラッシュの時間帯や大型連休などの繁忙期を避け、比較的空いている平日の昼間の列車などを選ぶことも、周りへのスマートな配慮となり、飼い主自身の精神的な負担も大きく軽減してくれます。
まとめ:ルールを守って愛犬と快適な新幹線の旅をしよう
これまで詳しく見てきたように、新幹線で愛犬との乗車を断られてしまうという残念な出来事の背景には、サイズや重量、ケースの形状といった、JRが定める明確なルールの見落としが大きく関わっています。
しかし、これらの規則を事前に時間をかけてしっかりと理解し、必要な準備を一つひとつ丁寧に行えば、決して新幹線の旅は難しいものではありません。
旅の成否を分ける最も重要なポイントは、「ケースと合わせて10キロ以内、3辺の合計が120センチ以内」という規定を厳守すること、犬の安全を守るために形態が固定された専用ケースを用意すること、そして乗車当日に駅の窓口で290円の「手回り品きっぷ」を忘れずに購入することです。
この3つの鉄則を守ることが、スタートラインに立つための絶対条件と言えるでしょう。
これらの物理的なルールに加え、事前のキャリー慣らしトレーニングといった愛犬へのケアや、乗車中の他の乗客への細やかな配慮といったマナーを守ることで、愛犬との新幹線の旅は、飼い主にとっても、ストレスを感じやすい愛犬にとっても、そして偶然乗り合わせた周りの人々にとっても、快適で心穏やかな時間となります。
一度断られたという苦い経験がある方も、この記事で解説したポイントを一つひとつ確認し、準備を万全にすれば、次はきっと素晴らしい旅が実現できるはずです。ルールとマナーという両輪を心に刻み、愛犬とのかけがえのない思い出を作ってください。